前回から、私たちが情報を収集し判断する際に、ある特定の要因に基づいて、判断が歪んでしまう傾向である「認知バイアス」について取り上げています。
今回はそのうちの一つ「確証バイアス」についてです。
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日々の生活の中で、私たちが無意識に、
「自分にとって都合のいい情報」を集める傾向にあること、
それを「確証バイアス」といいます。
有名なのは、「血液型」と「人格」を結び付けること。
特に日本人は大好きな話題ですね。
あの人はA型だから、B型だから……長く生きていると
そんな話題を耳にします。科学的な根拠はないのに、
「あの人はB型だから、こういう行動をとるんだよね」なんて
口にしてしまっていることはありませんか。
また、人は第一印象を引きずりやすい傾向もあります。
保育園の例で言えば、出会った最初に印象の良い保護者だった場合
「あの保護者は子育てに熱心だ」
印象の悪い保護者については
「あのお母さんは忘れ物が多い。家では大丈夫なのかな」と思ってしまったりします。
また「運動会はこういうもの」という固定観念から
自分の経験値やイメージに近い情報だけを集めて視野が狭くなり、
他人のアイディアを受け入れられない、ということも、職員会議などの場面であるかもしれません。
誰もが、確証バイアスに陥る可能性があります。
これを回避するには、何か物事を考えるとき、常に「私はいま、確証バイアスに陥っていないかな」と意識することです。
また「自分の意見は本当に正しいのかな」「他の人はどう考えるかな」など、
自分以外の視点、客観的な視点から眺めてみることも回避策のポイントです。
他の人の意見に耳を傾ける、その上で自分の考えをもう一度見直してみる、
という思考のクセ付けをしていかれるといいですね。
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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪
※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)