ぶるーむサプリ☆~シアワセ保育士・メンタルのヒント~Vol.3「保育観の違い」がメンタルに来るんです…その③保育観は、子どもを見つめるまなざし

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「保育観」の本来の意味

保育観、という言葉がいつ歴史に登場したのかはわかりませんが、決して悪い言葉ではない、と私は思います。

今では「保育観が合わない」「あの人とは保育観が違う」といったような使われ方をすることが多いので
(そうではない場合ももちろんありますが)
なんとなく、ネガティブな気持ちにさせられてしまいます。

しかし、子どもの育ち、保育への願いが込められた
とてもポジティブな言葉とも、捉えられると思います。

保育士の資格を取るために勉強している人なら『エミール』を書いたルソーや、
「20世紀は児童の世紀」で有名なエレン・ケイの名前は憶えているでしょう。

彼らは、子どもという価値観について時代を大きく変えた研究者たちですが
たくさんの人たちが「子ども」を一人の人間としてよりよく育てるために
大人たちは、社会は何をすべきかについて真剣に考えてきました。

それらの思想はやがて日本にも入ってきて、
さまざまな幼稚園や保育園の理念となり
フレーベル、モンテッソーリ、シュタイナーなど
現在の日本の乳幼児保育・教育の土台となる考え方になっていきました。

そしていま、ほとんどすべての幼稚園、保育園、こども園では、
独自の保育理念や保育方針を掲げ、保育目標を立て、保育を実践しています。
それらを見て、保護者も保育者も、園を選んでいますね。

保育観、というのは、子どものことを大人が真剣に考え続けてきた証
一人ひとり違う考えややり方はあったとしても、
皆が子どもの最善の利益を考えていきましょうね、という
多様性を象徴する言葉だったと思うのです。

保育現場でのお悩み

保育現場に視点を切り替えてみましょう。

「クラスのリーダーや担任の一人にとても強い人(言葉がキツイ、いつも怒っているなど)がいて、あの人がいると何も言えないんです、私は子どものことを考えて保育していても、反対に「トロい」と怒られてしまうんです」

という状況があったとします。
それは本当につらい状況ですよね。

一緒に保育をすること自体がストレスで
毎日「転職しようかな」と考える気持ちにもなるでしょう。

とてもよくわかります。でも、年度の途中で仕事を放りだすのは無責任。
この状況にいつまで耐えられるだろうか……。

そして隣のクラスは和気あいあいとやっている、リーダーは優しい先輩。
園長の前では、その嫌なリーダーは態度を翻して、笑顔でおべっかを使っている、
そんな場面を見たら、
「私たちが辛い状況なのに、園長や主任は見て見ぬふりをしている!」
と怒りも倍増になっていくのでしょう。実際にそんな現場を何度も見てきました。

その“強い人”と“私”の違いについて考えてみると
「私の方が、子どもにたいして優しい言葉で接している。だから子どももなついている」
「私の方が、本当は保育の引き出しもあって、先輩よりもうまくやれる。この人さえいなくなってくれれば、クラスもうまく回るのに」

と思っているかもしれません。

この状況を抜け出したい。そう思ったら…

この状況が続いていると、ストレスが体の症状として出てきてしまいます。
眠れない、食べられないあるいは過剰に食べてしまう、
集中力がなくいつも遅刻するようになってしまった、
何もする気がしない、涙が止まらない、体がかゆい、頭が痛いなど……

「自分のことをまずは大切にしましょう」と言われても、
生活のためには仕事をしなければならないし、休むことができない、
自分のことなんて後回し、家族もいるから無理。
そんな答えが返ってきそうです。

しかし人生は一度きりです。
エネルギーが下がり続けている状態では、
大好きな子どもたちと笑顔で過ごす保育の仕事も、
ご家族との楽しい時間も少なくなっていってしまいます。

「いま、私は、辛い状況にある、何とかこの状況から抜け出したい」

と思っているなら、一緒に小さな一歩を踏み出してみましょう。

今、目の前にいる子どもたちのためにできること。
あなたという保育士さんは、子どもたちの大切な居場所なのです。
そのためにもあなたが、もう一度保育に楽しく笑顔で向き合えるように
保育士自体を辞めたい、そんな気持ちにもしなっているのなら、
あなた自身の、保育観、あなたと保育、
そしてあなたと環境の関係性を見つめる「観察」から始めてみませんか。

(つづく)


このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪

次回は、

①観察~自分編~
②観察~相手編~
③鳥の目と虫メガネ

についてのお話をしていきたいと思います!

※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。

(文:鈴木聖子)

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