ぶるーむサプリ☆~シアワセ保育士・メンタルのヒント~Vol.25「保育観の違い」がメンタルに来るんです……心理学の視点から⑦保育の業務効率UPに効く!プチ心理学

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心理学の世界は奥深い。保育業務に役立つ知識もたくさん!
今回は書類など作業効率をアップする「アンカリング」のご紹介です。

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保育園はとにかく忙しい!
午前中の主活動、お散歩、お着換え、排泄、食事、午睡……
目まぐるしく過ぎていく毎日。

特に保育日誌や連絡帳などの、いわゆる“書き物”は、
子どもたちが寝ている間、すき間時間に
ものすごいスピードで書かなくてはならず……
でも「残業しないで」と言われるし。

いったいどうしたらいいの~

かといって家でやるわけにもいかず(個人情報の問題もあります)
と思ってしまいますよね。

今回は、日々の保育業務の効率を、少しアップできるかも?!しれない
心理学の知識を取り上げたいと思います。
それは「アンカリング」です。

アンカリングの「アンカー」とは、英語で、船をつなぎ留めておく「錨(いかり)」のこと。
今回の「アンカリング」は、マーケティング用語でよく使われる「アンカリング効果」とは違うものです。

過去に経験したことのある特定の心理状態をつなぎとめおき、いつでも再現できるようにする心理テクニックです。

例えば、緊張したときには「目をつぶって深呼吸をし『大丈夫、大丈夫』と心の中でつぶやくと、たちまち緊張がほぐれるんです」とか、「怒りの感情を感じたときは、窓の外を30秒見ると冷静になれる」など、自分なりの「おまじない」のようなものだと考えてもいいでしょう。

スポーツ選手が集中モードに入るときに使う「ルーティン」もその一つです。

●アンカリングの使い方3ステップ

例えば「保育室の少し薄暗いところに机を置いて、まずストレッチ。そのあとお気に入りのドリンクでリラックスしながら作業すると、いつも集中できて書類がはかどる!」

といったことがあるとします。

①「アンカー」を設定する

その背景となっているのは「私は集中すると、とっても早いし、園長先生にも文章をほめてもらえた」という過去のポジティブな記憶だとします。

その褒められたときの記憶が「アンカー」です。

アンカーには、その時の嬉しい感情や、風景や匂いや味、音、なども結びついています。
この過去の「嬉しかった記憶」「自信を持つことができた記憶」などを想起するアンカーを、意図的に設定しましょう。

(間違えてネガティブな記憶を想起するものは、アンカーに設定しないようにしましょう)

②「トリガー」を設定する

アンカーの設定ができたら、ポジティブモードが「オン」になるスイッチを決めましょう。これを「トリガー」といいます。

特定の場所や動作、モノなどでもOKですが、特におすすめなのは、簡単なジェスチャーです。例えば、「右手の親指をぎゅっとにぎる」「胸の前で十字を切る」「ガッツポーズをする」など、自分だけの魔法スイッチオンの儀式を決めておきます。

③「アファメーション」を決める

アンカー、トリガーを決めたら、次に自分の気持ちがさらに上がる言葉を設定しましょう。

「私はプロの保育士、書類も最速でこなせちゃう!」
「みんなに憧れられる先輩保育士!私ってすごい!」

など、自分が理想とする姿を思い描きながらつぶやきます。
①、②、③を結び付けて
集中したいとき、時間内に終わらせられるかどうか自信がないとき、
などに、こっそり自分だけの「儀式」をしてみましょう。

ちょっとしたことですが、気持ちの切り替えができ、ルーティン作業にも
メリハリが生まれてゲーム感覚で進めることができるようになりますよ!

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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。

子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、

保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪

※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。

(文:鈴木聖子)

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