ぶるーむサプリ☆~シアワセ保育士・メンタルのヒント~Vol.17「保育観の違い」がメンタルに来るんです…心理学の視点から③悪口・陰口をいう人とどう付き合うか

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前回は、感情的に怒られたり批判されたりしたときに、うまく切り抜ける方法について紹介しました。今回も、保育に役立つ心理学のヒントを紹介します。
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「もう、本当にむかつく!」「あの人また〇〇だったよ」と、いつも怒ってイライラしたり、人の悪口・陰口ばかり言っている人、いますよね。自分もその負のエネルギーをもらってしまいそうになります。

「機嫌が悪いのは環境破壊」と私の尊敬する上司が言っていましたが、まさに、いつもプンプンイライラしているのは、歩く環境破壊。そうした人が周りにいたら、どのように対応したらいいのでしょうか。

●悪口や陰口を言う人の心境とは
「天気も悪いし、何もしたくないし、でも働かなくちゃいけないし。そんなときに、みんなどうしてもっとテキパキ動けないの!どうしてこうもトロい人ばかりなの、もうイライラする!」と思っている同僚や先輩がいたとします。

マイナスな感情を持っている状態でいると、周囲の環境や他人の悪いところばかりが目について、そうした情報ばかりが集まってくる状態になっているのです(感情一致効果
つまり、そうした行動や態度をとる人は、ストレスや欲求不満を抱えているのです。

●悪口・陰口を言うことで起こる、まやかしの効果
「また今日もあの人、あんなことしちゃってたよ。もう、ほんとに使えないよね」
こうした悪口・陰口を言うことで、自分のストレスや欲求不満のはけ口にしたり、傷つけられた気持ちやプライドを取り戻そうとしているのです。

悪口をいう瞬間に、心地よい感覚を得られるのでそれがクセになってしまい、「私はあんな人よりずっとちゃんとやっている」と心の中でマウントを取ることで、自分を慰める効果もあります。
また、「ほんとそうだよね! わかるわかる!」などと、その悪口を言うことで意気投合したり、仲良くなったりすることもあります。そうした「秘密の共有」も心地よいもの。自分にはそういうつもりはなくても、無意識に“同じ穴のムジナ”になってしまう可能性があります。

●悪口をいうと倍になって返ってくる、のは本当
しかしこうした悪口を言う人は、たいてい気づいていません。
言われている側よりも、言っている側の印象が悪くなっているのです。
悪口を言っているときの口調や表情と、その人の印象が結びつくことを「連合の法則」と言います。とてももったいないですよね。
そして言った本人は、気づかないうちに「私って、こんな弱点があるんです」という曝露をしていることにもなっています。

例えば
「あの人、本当に鈍くて。同じことを何度も言われても、またミスするんだよね。本当にイライラする」という言葉の中には、実はその人自信が持っている弱点や、人から指摘されたくないと思っている部分が含まれているのです。

「鈍いと思われたくない、何回注意されても分からない頭の悪い人だと思われたくない」
自分自身の中にもそういった弱点があるために、「私はそうじゃないけどね」ということをアピールしているのです。
そうした発言がよりいっそう「この人、細かいことに目クジラ立てて面倒くさい人だな」とか「言われている人がかわいそう。こんな意地悪な同僚に私もならないようにしよう」と、心理的な距離を置かれてしまうこともあるのです。

●悪口・陰口を言う人との付き合い方
たまに愚痴を言うぐらいならともかく、毎日のように悪口や陰口を聞かされるほうはたまったものではありませんよね。
最初は、自分も嫌われたくないな、と思って相槌を打ってしまうこともあるでしょうが、あまり同調しすぎることは避けましょう。

「だよね、だよね!私もそう思ってたー!」といった意気投合は、その場は楽しいかもしれませんが、職場の雰囲気を悪くしたり、特定の人を孤立させてしまったり、いじめやパワハラといったトラブルにも発展しかねません。

できれば「それは大変だったね」「そうなんだ、そういうこともあるよね」と心の距離を保つような返答にとどめるようにしましょう。そして「この人もストレス溜まっているんだな」と慮り「大丈夫?最近疲れてるんじゃない?」と本人をねぎらうような言葉がけをしてあげましょう。そうすると、怒りやイライラも収まって「そうなのよ、じつは家族が……」と別の話題に切り替わる可能性もあります。
要するに、特定の個人の悪口・陰口で集中的な時間を使わせないように気をそらすということです。
話している方にも、話されている方にも、悪口・陰口は何も良いものを生み出しません。

例えば「もっとみんながスムーズに動けるようになるアイディアを考えよう」とか、「子どもたちが喜ぶ季節の遊びって何かな」など、そのネガティブなエネルギーを、もっと保育をよくするためのプラスのアイディアに使えるようになるといいですね。

いかがでしょうか。
今回は、悪口・陰口を言う人との付き合い方について考えてみました。ご自身のストレスにならないように、うまくかわしていかれるといいですね。
ぜひ今日から職場や日常生活で実践してみてください。
次回も、心理学の視点から、具体的に役立つ項目をお伝えしていきます。

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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪

※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)

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