ぶるーむサプリ☆~シアワセ保育士・メンタルのヒント~Vol.44  「これって転職失敗ですか」幸せな転職のために⑫「2人の違いは何だったのか」

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今年春から、新しい保育園に転職し
「失敗した」と後悔しているA子さんと
「転職してよかった!」と喜んでいるB代さん。
前回に引き続き、B代さんの転職活動のお話です。

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これまで、A子さんとB代さんの転職活動とその後について紹介してきました。
2例とも、私自身がその活動に携わった方の例に多少のデフォルメを加えていますが、

ほぼ実話でもあります。
情報をまとめてみましょう

【A子さん】転職に失敗した……と後悔中

・認可保育所(120名定員)から認可保育所(60名定員)に転職。保育士歴4年目
・子どもにも人気、保護者にも信頼のある保育士として自信もついてきた。

(転職理由)
・誰にも言えない、秘めた不満と悩みがあった
・同じ学校を卒業した同級生たちは、もっと給料やボーナスをたくさんもらっている。
・じつは持ち帰り残業をしているのに、園長先生や主任は見て見ぬふりをしている
・自分はもっとアットホームな環境でじっくり乳幼児にかかわりたいのに、
 1クラスの子どもの人数が多く、流れ作業のようになってしまっている
・何より人間関係があまりよくない、合わない同僚や先輩がいる。

(活動経緯)
・ぼんやりと求人サイトを眺めていたが、本格的に転職活動を始めたのは、年明け2月半ばから。
・大手転職エージェントから紹介された2つの園に見学・面接に行くも、ギリギリのところで決まらず、
 3月の半ばにようやく、定員60名の認可保育園に決定

(転職後に分かった後悔ポイント)
・職員が年度末に10人退職。そのため、入れ替わりで中途採用の職員が複数人入ったが、明らかに保育士の人数が足りず、休憩もまともに取れない。
・常に保育士が足りないシフトが組まれているため、クラス担任もギリギリの人数(常勤2人+パート1名のみ)そのため子どもが落ち着かず、新入園児は特に泣きっぱなし。ヘルプも来ない。ケガも続出。
・園長はクラスの様子を見に来ず、事務室にこもりっきり。保育室に入って保育の指導をするでもなく、本社の人とずっと話している。
・ぎすぎすした人間関係。大量退職の余波もあり、皆気持ちに余裕もなく、職員は皆くらい顔をしている。おまけに体調不良で毎日誰か休んでいる。
・給与面待遇面の説明が、紹介会社から聞いていた話と違う。どうやら手取りはかなり低そう……。

(現在の気持ち)
・もっと時間をかけて早くから転職活動をしていればよかった。
・生活もあるため、すぐにまた辞めるわけにもいかず、すぐに働ける別の保育園を求人サイトで検索する眠れない夜が続いている。

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【B代さん】転職して良かった!と喜んでいる

・小規模保育所(19名定員)から認可保育所(120名定員)に転職。保育士歴7年目
・0~2歳児の担任を勤め、地道にキャリアを積む。チームワークも良く特に不満はない

(転職理由)
・保育に自信もついてきたが、小規模保育所は2歳児クラスまで。
 もっとその先の子どもの成長、0歳児から就学前まで長期間での保育に携わってみたい、と思うように。

(活動経緯)
・年度初めから「来年の4月に転職したい」と心を決め、転職エージェントに複数登録。
・大手ではないが、親切で丁寧な転職エージェントのアドバイザーに相談に乗ってもらいながら、自己分析と園見学に着手。
・3園の見学を終えたところで最初の園に決め、10月上旬には内定を獲得

(転職成功までの道のり)
・転職を決めた理由についても、アドバイザーとともに言葉化。
 自分が何を目指しているのか、どんな保育をしたいのか、を常に考えながらイメージ。
・X園は、産休に入る職員の補充のための求人。職員の人間関係や配置人数にも比較的余裕がある職員が、年度末に10人退職。
・子どもたちも、第二の家のようにのびのびと自分らしく過ごし、保育士も皆笑顔で生き生きと働いている。入社後も、見学の時のイメージと変わらず、園長も保育に密に関わり常にコミュニケーションが取れている。
・給与待遇面についても丁寧な説明を受け、入社前にも数回オリエンテーション、研修を受けることもでき、スムーズに新しい職場に溶け込むことができた。
・疑問や不安は、転職エージェントのアドバイザーが即対応。入社後は園長以下園の管理職が法人本部とスムーズにやりとりしてくれ、特に不満もなく現在に至る。
・多少の人間関係・コミュニケーションがうまくいかない場面もありつつも、毎日心から保育を楽しんでいる

(現在の気持ち)
・転職して本当に良かった。転職エージェントの人には本当にお世話になった。
一人で活動していたら、うまくいかなかったかもしれない。誰かに転職の相談をされたら、ぜひ自分の経験を伝えてあげたい。

いかがでしょうか。

転職活動は悲喜こもごも。次回はいよいよ最終回。
「シアワセな転職活動のコツ」について振り返りつつ、まとめてみたいと思います。

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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪

※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。

(文:鈴木聖子)

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