ぶるーむサプリ☆~シアワセ保育士・メンタルのヒント~Vol.27「保育観の違い」がメンタルに来るんです……心理学の視点から⑨ 都合のいいように解釈する「自己奉仕バイアス」その1

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心理学の世界は奥深い。保育業務に役立つ知識もたくさん! 今回と次回は「自己奉仕バイアス」です。

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「自己奉仕バイアス」と聞くと、どのようなイメージを持ちますか?
これは、自分を犠牲にして尽くすようなことではなく、

成功したときは、自分自身の能力によるものであり、
失敗したときは「あの人が(この環境が)悪い。私のせいではない」と思い込む認知バイアスです。

「私は、そんな認知バイアスは持っていない」と思った方も、無意識に自己奉仕バイアスで物ごとを捉えている場面があるかもしれません。

自己奉仕バイアスは、人間であれば自然に持っている自己保身の反応です。
人からよく見られたい、自尊心を保ちたい、必要以上に落ち込みたくない……

自分の心を上手にコントロールするために心が働いてくれているのですね。
生きていくために必要なバイアスでもあるのですが、
行き過ぎると、ややこしいことになります。

自分の過ちを棚に上げて人を攻撃したり、
「自分が一番正しい。周りが悪い」といつも、どんな時も主張することで
周囲の人間とぶつかってしまうこともあります。

人間関係がギクシャクするばかりか、いつの間にか周囲から「あの人は、いつも人のせいにする。ナルシストだよね」「強いから苦手…」など、
ネガティブなイメージを持たれてしまう危険があります。

保育園の中では…例えばこんなケース。
A先生とB先生は夏祭りの行事の担当になりました。

協力しながら準備を進めたものの、後輩で経験値が少ないB先生は、ちょっと態度が強めの先輩A先生に遠慮しながら、言われたことはしっかりこなし、企画の提案をしたり頑張ってアイディアを出したりもしていました。当日まで二人は園のほかの先生にも協力を仰ぎ、

なかなか意思疎通がうまくいかない場面もありましたが、無事に終えることができました。子どもたちもとても喜んでくれていました。

しかし後日一部の保護者から「輪投げのコーナーで、何回も並んでゲームに参加し景品をもらえた子と、1回しかやらせてもらえない子がいて不公平だった」という意見があがったのです。

(次回に続く)

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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪

(文:鈴木聖子)

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