前回までのお話
前回は、一日の流れに沿って、
苦手な相手の嫌な行動に対し、自分の感情がどんなふうに
動いているのかを書き出してみました。
今回は、あなたの主観や感情をいったん横に置いて
ただただ事実だけを見てみます。
その上で具体的な問題解決法について考えたいと思います。
「自分の行動」を書き出してみる
ノートの新しいページを用意します。
一日の中で、自分が「この人のこういうところが本当に嫌だ!」という感情を、持ちやすい場面での「自分の行動」を切り出してみてください。
まずここでは、自分の行動だけを細かく書き出します。
主観や感情が混ざらないようにしてみましょう。
(例①)出勤の場面
- 更衣室のドアを開ける
- ●●先生(相手)が着替えている
- 挨拶をする
- 着替える
- 保育室にもっていく物の準備をする
- 申し送りノートの確認
- トイレに行く
- タイムカードを押す
- 保育室に入る
- 他の同僚とあいさつをする
(例②)朝の登園ラッシュの場面
- インターホンが鳴り対応する
- 保護者と子どもが入ってくる
- 挨拶をする
- 保護者と会話、連絡事項を聞く
- 荷物を受け取る
- 靴をなかなか脱がない子、泣き出す子、手洗いをせずに遊び始める子などいろいろ。都度対応。
- 保育室にいる子どもの人数がどんどん増えてくるので、人数を見て保育に入る。
- 子どもに絵本を読んだり、玩具で遊ぶ。
- 同僚と会話をする・・・
自分の行動を並べてみましたね。
その横に今度は、「苦手な相手」「嫌いな相手」の行動について
“事実だけ”を淡々と書き出していきます。
(なぜ、前回は感情や主観が入っても気にせずに書き出したかというと
まずはあなたの気持ちを吐き出すことが大切だったからです。
感情は一度外に出しているので、事実がよく見えるクリアな状態になっていると思います)。
「相手の行動」を書き出してみる
(例①)出勤の場面
自分の行動
・更衣室のドアを開ける
相手の行動
→私と目が合う
・●●先生(相手)が着替えている
・挨拶をする
→挨拶する(声は小さい)
・着替える
→雑談する(お互いの子どもの行事や天気の話など)
・保育室にもっていく物の準備をする
・申し送りノートの確認
・トイレに行く
・タイムカードを押す
・保育室に入る
・他の同僚とあいさつをする
→「先に行きますね」と相手は先に保育室へ向かう
(例②)朝の登園ラッシュの場面
自分の行動
・インターホンが鳴り対応する
・保護者と子どもが入ってくる
・挨拶をする
相手の行動
→保育に入らず、申し送りノートをずっと見ていることが多い
・保護者と会話、連絡事項を聞く
・荷物を受け取る
→子どもに声をかける
・靴をなかなか脱がない子、泣き出す子、手洗いをせずに遊び始める子などいろいろ。都度対応。
→泣いている子どもを抱き上げたり 喧嘩の仲裁などをする
・保育室にいる子どもの人数がどんどん増えてくるので、人数を見て保育に入る。
→部屋の真ん中に座って動かず、声だけで指示していることが多い
・子どもに絵本を読んだり、玩具で遊ぶ。
→同僚とおしゃべりしていることが多い
主観が入らないように!と言ってもなかなか難しいですよね。
相手の表情や態度に対しての反応が、文章にも出てしまいます。
書いた文章を改めて眺めてみると、相手のどんな態度が嫌なのかが
感情を抜きにした状態でも細かく浮かび上がっていきます。
次回はいよいよ「この場面で、私ならこうする」について
考えていきましょう。
(つづく)
このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪
次回は、
「この場面で、私ならこうする」
について考えてみたいと思います。
※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)