Vol.53 保育に役立つ心理学 シーズン2 ④嫌われる勇気 その1

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保育士のメンタルに効くプチコラム「ぶるーむサプリ」です。

保育に役立つ心理学の新シーズン4回目は、「嫌われる勇気」です。

あなたの職場はいかがでしょうか?

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保育現場で、よく聞く話と言えば「人間関係」。退職の原因ともなることが多いテーマです。

現にいま、職場の人間関係に悩んでいる方も多いと思います。

とにかく和気あいあい、気のおけないステキな仲間たちとワイワイやれる、全員良い人・仲良しこよし‥‥…そんな職場、そうそうあるものではありません。

自分に自信が持てない、他の人の目が気になって仕方がない、こんなに頑張っているんだから認めて欲しい……と普段から自分自身を受け入れることが難しい人、他人との関係性の中で自己有用感や自己肯定感が低い人ほど、人間関係の中で、さまざまなメンタルの問題を抱えがちです。

そして「苦手な人」「キライな人」の存在がさらに自分自身を追い詰め、その人さえいなければ自分はうまくやっていたのに……と被害妄想が膨らみ、積もり積もったストレスから眠れなくなってしまったり、抑うつ気分が続いて、さらには毎日出勤することもおっくうになってしまい、退職に追い込まれる……というケースも少なくありません。

笑顔で穏やかに過ごしているように見えた先生が、突然退職代行を使って辞めていった…‥というケースに何度か遭遇したことがあります。

そこまで至らなくても、今現在、人間関係で悩み辛い想いをしている方に、改めてオススメしたい本があります。それは、『嫌われる勇気』です。

お読みになった方も多いのではないでしょうか。

『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社/2013年刊行)は発売以来、国内外で高い評価を受け、世界類型で1,000万部以上売れている、大ベストセラーです。岸見一郎氏と古賀史健氏による共著で、サブタイトルは「自己啓発の源流『アドラー』の教え」。オーストリアの心理学者アルフレッド・アドラーの心理学(アドラー心理学)をもとに、人が幸福に生きるための考え方を、「哲人」と「青年」の対話形式でわかりやすく解説しています。日本国内のみならず、海外でも広く読まれ、さまざまな言語に翻訳されています。続編の『幸せになる勇気』も出版されており、より深くアドラー心理学を学ぶことができます。

この本の主なテーマは

・人は「変われる」し、「幸せ」になれる:過去のトラウマや環境は問題ではなく、今の自分の目的が重要だとする「目的論」の考え方。

・すべての悩みは「対人関係の悩み」である:他人との比較や承認欲求に振り回されず、自分の課題と他人の課題を分けることが必要。

・「課題の分離」:他人がどう思うかは「他人の課題」であり、自分がどう生きるかに集中すべき。

・嫌われる勇気を持つ:誰からも好かれることを目指さず、「自分がどうありたいか」を大切にする生き方を提唱。

・共同体感覚:自己中心的でなく、「他者に貢献している」と感じることで、人は本当の幸福を得られる。

なかでも、タイトルにもなった「嫌われる勇気を持つ」という項目を読んで、私自身も何度か救われてきました。次回は、その点について少し掘り下げて紹介したいと思います!

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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。

子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、

保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪

※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。

(文:鈴木聖子)

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