今年春から、新しい保育園に転職し
「失敗した」と後悔しているA子さんと
「転職してよかった!」と喜んでいるB代さん。
前回に引き続き、B代さんの転職活動のお話です。
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転職エージェントのアドバイザーも同行してくれ、無事に見学を済ませたB代さん。
実は候補の園を最初に見に行ってからも、2園の見学をしました。
しかしやはり、最初に見学した定員120名の中規模認可保育園が、
自分にはしっくりくるな、という印象でした。
9月に入って、先方にお返事をしなくてはならないタイミングもあったため、
3つの園から絞り込むことになり、アドバイザーと電話で話していると、
「しっくりくる、という理由は何だと思いますか」
と尋ねられました。
「そうですね……とにかく子どもたちが笑顔いっぱい、
のびのびと過ごしていて。園長先生はじめ、職員の皆さんもとてもにこやかで、好印象だったからでしょうか」
「他の園と比べるとどうですか。特に印象深かったんでしょうね。
もう一歩踏み込んで具体的に“言葉化”してみるとどうでしょう」
「そうですね……」
B代さんは、ぼんやりと「いいな」と思っている理由を、改めて頭の中ではっきりさせることにしました。
アドバイザーと対話しながら出てきたのが下記のような理由でした
【X園がいいな、と思った理由】
・職員が生き生きしている=保育を楽しんでいる、同じ方向を向いて、子どもを見ている
(という雰囲気が伝わってくる)
・「ここは保育園じゃないの、おうちなの」と話しかけてきた女の子の言葉が印象的。
=とってつけたような誉め言葉ではなく、心から出てきたピュアな気持ち。
それが園の保育のすべてを著している気がする。
・壁面制作、保育環境、活動の内容……大人都合ではなく、子どもが主役。
赤ちゃんから幼児クラスまで皆が育ち合っている。
……
「そういう保育を、私もしたい、園の仲間になって自分も成長したい、と思いました」
「わかりました。X園さんからも、B代さんと会って、ぜひ来てほしいという熱いオファーが来ていますから、さっそく来年の4月から入職したい、というお気持ちを今からお伝えしますね」
「よろしくお願いします!」
こうして、10月の初旬には、B代さんはX園からの内定を獲得し、小規模保育園での残りの数か月もしっかり勤め上げ、晴れて翌年度の4月1日、1歳児クラスの担任としてスタートを切ったのでした。
年度末までの間、数回、X園にも入社に際してのオリエンテーションに出かけ、職員とも事前にコミュニケーションを取り、スムーズに転職することができました。
転職エージェントのアドバイザーも、懇切丁寧に連絡を密にとってくれ、転職に際しての不安はほとんど持つことはありませんでした。
何よりも転職先のX園が、ウェルカムな雰囲気でB代さんの入社を心待ちにしてくれていたのでした。
「転職してよかった。本当に毎日が楽しい。保育士は私の天職だなと思います」
そう胸を張って言えるB代さんなのでした。
次回は、転職に失敗した…と思ってしまっているA子さんの活動も振り返りながら、
転職活動の成功の秘訣について考えてみたいと思います。
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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪
※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)