「自分に自信がない」
「自信を持つって、どういうこと?どうしたらいいの?」
誰しも一度は、そんな思いになったことがあるのではないでしょうか?
今回は、自信をつけるためのちょっとしたヒントをお伝えしたいと思います。
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ある保育園に、Aさんという保育士がいました。
Aさんは、いつも子どもたちに人気で、クラス活動をまとめるのが上手い保育士Bさんという同僚と自分を比べてしまい、「私って、保育士に向いていないのかな……」とどんどん自信を失っています。
一方Bさんは、Aさんが言葉少なだけれど、いつもきちんと丁寧に作業し、子どもへの言葉がけがやさしいところにあこがれていました。「私はAさんみたいに、一人ひとりの子どもに目が行き届いていない…書類もいつも遅れて提出して園長先生に注意されている私に比べ、Aさんはエライな」と思っていました。
二人とも、お互いの良いところと自分を比べて、自信を無くしています。
あなたなら、この二人にどんな言葉をかけますか?
人それぞれ、個性があります。
保育のスキルにできる、できないはあるかもしれませんが、子どもに向き合う姿勢は同じ。みんな子どもたちのために、一生懸命。そのやり方は人それぞれ、比べられるものではないはずです。
子どもの「自己肯定感」を育むことの大切さを、毎日考えているのに、
それを育てる保育者が自己肯定感を持てないでいることは、よくあることです。
自信を持つ=傲慢になってしまうのではないか、
プライドが高い人になってしまうのではないかと思い込んでしまい
「いえいえ、私なんてまだまだです」と謙遜しているうちに、
自信を持つということが、どんな感覚なのかわからなくなってしまっていないでしょうか。
そもそも自信と傲慢とは違うものですし、プライドとも違います。
私のメンターにあたる人がこんなことを教えてくれました。
・プライド=他者承認 誰かに認めてもらいたいという気持ち
・自信=自己承認 自らの力で自分を認めること。
いつも他者との比較をしてしまう人は、それがやがて、
嫉妬になってしまい、自分のプライドを守るため
「こうなっているのは、あの人のせい」「あの人さえいなければ」
という思考パターンに陥ってしまいます。
一方、自信を持っている状態の人は、
価値観や考え方が違う相手が現れても、あまり動じません。
「なるほど、そういう考え方もあるよね。でも私はこう思うな」
と考えることができる。自分も認め、相手も認めることができます。
すると自尊心や自己肯定感は高いままで、誰からも下げられることはなく、感情も安定し余裕を持つことができます。
自信は、誰かが励ましてくれたり、
「はい、あげる」と言ってくれるものではないのです。
とはいえ、すぐに、100%の自信を持つことは難しいし、
誰しも、完璧な人間などいません。
毎日少しずつ、自信をつけるためにできること(毎日であることが大切)をやっていきましょう。
そのためには、私が私であっていい、私って頑張ってるね!と認めてあげる。
自分の価値の「証拠」を毎日ひとつでもいいから見つけることです。
「いま私、イラっとしたけど、怒らなかったな。私って、わりと冷静に対応できてるな」
「1か月前は〇〇が苦手、と思っていたけど、少しずつ早くなっているかも」
「今日もたくさん笑ったな!」
といったように、
何かネガティブな状況が思い出されたら、「~だけど、〇〇なところもあるよね。私、頑張ってる」といったように、
乳幼児に声がけをするように、自分にもやさしく声がけをしてあげてください。
自分に厳しい言葉ばかりかけている人は、今日から、
「自分責め」をやめてあげてください。
毎日ちょっとずつちょっとずつ、自信というシールを集めていきましょう!
次回も、心理学の視点から、具体的に役立つ項目をお伝えしていきます。
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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪
※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)