ぶるーむサプリ☆~シアワセ保育士・メンタルのヒント~Vol.13「保育観の違い」がメンタルに来るんです…観察~自分の行動編⑧「私の保育軸」の確立

マガジン

前回に引き続き、私の体験談から考えていきます。
——————————————————–
保育士たちが面白がって“いじる”K君、それに対して何もできず、
見て見ぬふりをしてしまい自己嫌悪に陥っていた自分。
臨床発達心理士の先生に相談してから、自分の気持ちの軸を、
少しずつ変えていきました。

例えば、お散歩前の準備で、相変わらずK君が怒られています。
帽子や靴下は被せても被せても投げてしまうし、他の子にちょっかいを出すので、
「出た、またやってる。連れて行かないから。一人でお留守番しててね、自分が悪いんだよ」
一人だけ仕切りの向こう側のスペースに入れられてしまい泣きそうになっていました。

正直言って、この年月齢なら、ほとんど同じような行動をしています。
K君だけではありません。でもリーダーの先生はK君だけに辛く当たる毎日。
K君はストレスからか、床に落ちている髪の毛やゴミを食べる
「異食」の行動に出るようにもなっていました。

私はほかの子どもから手が離せずにいたのですが、少しそばに近寄って
「K君だいじょうぶだよ。一緒に公園に行こうね。帽子自分で被れるかな」
と口だけで声がけをしてみました。

K君はにやにやと笑って(悲しいときに笑うクセがついていました)目には涙をためながら、
ゴミを食べようとします。
「おいしくないねぇ。あ、そうだ!公園に行ったら、ありんこのおうち探そうか。
この前のありさん、まだいるかな!?」と言うと

急に「ありさん? いるかな?」と目を輝かせ始めました。
「ありさんが待ってるよ!」というと帽子と靴下を身に付けようとしました。
(まだ自分ではできないので手伝うと素直に従ってくれました)

その後は気持ちを切り替えてお散歩を楽しむことができました。
その様子を見ていたリーダーは、無表情で冷たい目で私をにらんでいましたが気にもしませんでした。

何故なら、私の心の中で「子どもの気持ちに寄り添うことができた」「言葉がけで、切り替えることができた」何よりも「K君がお散歩を気持ちよく楽しめた」という達成感・自信があったからです。

次回はこの体験談から、皆さんの悩みに役立つポイントについてお伝えします。

———————————————————–

このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪

※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)

タイトルとURLをコピーしました