ぶるーむサプリ☆~シアワセ保育士・メンタルのヒント~Vol.10「保育観の違い」がメンタルに来るんです…観察~相手編⑤セルフチェック

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ここで少し視点をずらし、保育観について深堀りしてみましょう。

近年、保育園で起こっている虐待のニュースに、心を痛めている方も多いのではないでしょうか。今回はそうした「不適切保育」の事例を見つめるところから、保育観について考えてみます。

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ニュースなどで連日報道されている「不適切保育」。

保育現場で働く私たちにとっては他人事ではなく「そんなことよくできるな」「酷い、許せない」という気持ちにもなりますが、人員が不足している園が多い中、明日は我が身、私たちもその当事者(関係者がそうした行動をしてしまうことも含めて)にならないとも限らないのです。

どんなことがあったのか事例を見てみると……。
・子どもの足を持って逆さづりに
・言うことを聞かない子どもをトイレに閉じ込め、そのまま放置
・食べられない子どもを怒鳴りつける
・カッターナイフで脅かす
・寝付いた子どもを指して「ご臨終です」と言う
・特定の子どもの容姿をばかにした発言
・ロッカーの中で泣いている子どもを撮影
・頭をたたく
・感染症の症状が出ている子のお尻を他の子に触らせる
・お昼寝をしていた子どもを足でどかす
・園児の頭を弁当の容器でたたく
・こめかみを指でこづく
・腕をつかんで引きずる
・布団で挟んでロープで巻く
・倉庫に閉じ込める
・お尻を棒でつつく
・椅子をわざと引いてしりもちをつかせる
・一人だけ布団を敷かず放置
・頭を押さえて、コップを口に押し付ける
・遊んでいる子の傍で寝そべる

すべて同じ園で起こったことではなく、事件として立件された複数の事例からピックアップしたものです。読むだけでも寒気がするようなおぞましい行為です。

しかし筆者も、例えば「特定の子どもの容姿をばかにした発言」や「ロッカーの中で泣いている子どもを撮影」「一人だけ布団を敷かず放置」と似たような行為をしている保育士と一緒のクラスで働いたことがあり、今回の一連の事件において問題となった「不適切保育」の内容を見て、ぞっとしました。

そのときは、先輩だったのでその場で「そういう行為はどうか」と進言できず、園長に後日訴え出たことがあります。

しかし子どものことを思えば、その場ですぐに止めるべきだったのではないか…、あのとき目の前にいた子どもたちに謝りたい、そのような気持ちでいっぱいになりました。

こうした不適切な行為(明らかな身体的虐待ではなくとも)のうち、心理的虐待やネグレクトまがいのことは、いまこの瞬間にも、どこかの園で日常的に行われているかもしれないのです。

こうしたことを踏まえて、話を保育観の話に戻してみると、あなたが今、「この人苦手」と思っているお相手の行為は、虐待にあたるでしょうか。
まずは、子どもの人権の原点に立って考えてみていただきたいのです。

とても参考になるツールを見つけました(何年も前に出ていたものです)

ぜひ下記のリンクを参照に、まずはセルフチェックをしてみてください。気になるあの人や、自分の保育について見つめ直すきっかけになると思います。

(次回へつづく)

全国保育士会ホームページより

新着ニュース|全国保育士会
全国保育士会公式サイト 新着ニュースのページです。

セルフチェック★具体的でとてもわかりやすいです!

https://z-hoikushikai.com/download.php?new_arrival_document_id=123

(参考)

厚生労働省からの通知

「保育所等における虐待等に関する対応について」(令和4年12月)

https://z-hoikushikai.com/download.php?new_arrival_document_id=123

次回へつづきます。

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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪

次回は「具体的に保育の中で、いま、私ができること」について具体的に考えてみたいと思います。※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)

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