保育士のメンタルに効くプチコラム「ぶるーむサプリ」です。
保育に役立つ心理学の新シーズン4回目は、「嫌われる勇気」その2です。
あなたの職場はいかがでしょうか?
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人間関係で悩むことも多い、保育現場の皆さんにぜひ一度読んでいただきたい本として、前回『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)をご紹介しました。
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え | 岸見 一郎, 古賀 史健 |本 | 通販 | Amazon
「嫌われる勇気を持つ」という考え方は、『嫌われる勇気』の中でも、中心となるテーマです。これはアドラー心理学における「他者の期待に応えようとしすぎないこと」「自分の人生を自分の責任で生きること」という哲学に基づいています。
■「嫌われる勇気」とは?
簡単に言えば、「他人から嫌われることを恐れず、自分の信じた道を生きる勇気」のことです。みなさんはいかがでしょうか? 嫌われてもいいや、自分は自分、と割り切って生きていますか?
ポイント:
- すべての人に好かれることは不可能
- 人間は価値観も考え方も違うので、誰からも好かれようとすると、自分を犠牲にすることになってしまう。
- 「誰からも嫌われない生き方」は、自分を偽って他人の期待に合わせる生き方。
- 他人の評価は「他人の課題」
- 他人が自分をどう思うかは、他人が決めること(=他人の課題)であって、自分のコントロール外。
- 自分がすべきことは、「自分の信念に沿って誠実に生きる」こと。
- 承認欲求からの解放
- 他人に認められたい、褒められたいという欲求に縛られていると、自分の人生を生きられない。
アドラーは「他者の承認は不要」とまで言っています。
■なぜ「嫌われる勇気」が必要なのか?
人間は社会的な動物ですから、一人っきり、誰とも関わらないで生きることはできません。他人とのかかわりの中では、どうしても相手に「嫌われたくない」「受け入れられたい」と思ってしまいます。
しかし、それが行き過ぎると
- 自分の言いたいことが言えない
- やりたいことを我慢してしまう
- 他人の期待を満たすためだけに行動する
と、いつも人の目を気にして、「他人の人生」を生きてしまいます。
つまり、「嫌われる勇気を持つ」とは、
- 他人にどう思われるかではなく、
- 自分がどう生きたいかを基準にすること
です。しかしそれは、「他人はどうでもいい」「わがまま上等」「他人を傷つけても自分がよければOK」ということではありません。
重要なのは、他人に迷惑をかけないこと。自分の信念を貫くこと、自分に誠実であることと同様に、他人も尊重する。自分も大切にしながら、人とともに生きるということです。
もしもあなたが、職場の上司や同僚、保護者との関係性に悩んでいるなら、
「たとえ誰かに嫌われていたって、私の問題じゃない!それは、あの人自身の問題。私は自分の信念を持って、自分に誠実に生きていこう」
と心の中で、または声に出して呟いてみてください。
人との距離感は、近ければいいというものではないのです。苦手な人とは距離を少しおいて、自分の心を守りましょう。
誰とでも仲良くできる人=人気者、いい人、できる人、ではありません。
自分を守りながら、ほどよい距離感を保てる人こそ、本当の大人なのではないでしょうか?
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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪
※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)