もう6月も半ばなのに、3月の卒園式にみんなで歌った「ドキドキドン一年生」や「勇気100%」にいまだに胸アツです。となりにすわるこ、いいこかな。ともだちになれるかな…
この一節に、新生活への期待と不安が集約されていますね。

大人の私たちは、たくさん経験してきたから知ってます。隣の席の子がいい子なのに、うまくいかなかったこともあったし、いい子なのに、その良さに気付けないこともあった。
ガッカリしてメソメソしたくなること、たくさんあるの知ってます。辛い時はいつだってそばにいてくれる、そんなともだちが必ずできるのか…最初は仲良くできたのに、近づき過ぎて気まずくなったこともあった。
だからね、子どもたちも、多分いっぱい、失敗すると思うんです。それ知ってるから、ハラハラしてしまうし、体も心もケガをしたらかわいそうだから、ついアレコレ言っちゃうんです。
転ばないようにね、走っちゃダメ、約束守らなきゃダメ、鼻をかまなきゃダメ、喧嘩したあとちゃんとゴメンね言わなきゃダメ…ちょっと大きくなるとね、早く寝なさい起きなさい、持ち物は前の晩に揃えて、勉強遅れちゃうから宿題やって…あれやっちゃダメ、それやっちゃダメ…
病気で辛そうな時、「代わってあげたい(;ω;)」って、親なら思って当然です。でも、からだの怪我はもちろん、心のケガ、乗り越えるべき試練は、その子どものもの。代わってあげることはできません。
子ども時代は、未熟ゆえ上手くいかない時代。失敗してもいい時代。取り返しのつかない失敗なんて、そうそうありません。失敗させてあげましょう。
子どもの力では解決できないことができたら、初めて親の出番です。それまでの経緯も知っておきつつ、恩を着せることもせず、味方になってあげましょう。
「だから言ったでしょ」って言いたくなるのを我慢して。

髙澤 佳栄(Takasawa Yoshie)
保育園きのね 園長