今年春から、新しい保育園に転職し
「失敗した」と後悔しているA子さんと
「転職してよかった!」と喜んでいるB代さん。
いったんその情報を整理してみたいと思います。
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<まとめその1 ~活動開始時期編~>
前回は、A子さんとB代さんの転職活動の経緯などをいったんまとめてみましたね。
ここからはさらに、一つ一つの項目について掘り下げてみましょう。
2人それぞれが転職活動をスタートしたのはいつぐらいだったでしょう。
●転職に失敗した……と後悔しているA子さん
・新年度が始まるころから、求人サイトを眺めてはいたが、
具体的な行動には出ず。
・本格的に転職活動を始めたのは、年明け2月半ばから。
・大手転職エージェントから紹介された2つの園に見学・面接に行くも、
ギリギリのところで決まらず、3月の半ばにようやく、定員60名の認可保育園に決定
●転職に成功した!と実感しているB子さん
・年度初めから「来年の4月に転職したい」と心を決め、転職エージェントに複数登録。
・6月以降転職活動を開始し、8月には自己分析と園見学に着手。
・3園の見学を終えたところで最初の園に決め、10月上旬には内定を獲得
これについては一目瞭然ですよね。
そもそもA子さんは、園長が、働いている園のクラス編成をほぼ決めたころに、
のらりくらりと(言葉は悪いですが)転職活動を開始したのです。
そこには少し甘えがあったのではないでしょうか
「保育士不足が叫ばれている世の中だから、売り手市場は続いている。
だから、転職活動を始めたら希望のところにすぐに決まるに違いない」
とタカを括っていたのです。
実際には、いいな、と思った園からは相次いで採用見送りの返事が来てしまい、3月半ば、ギリギリに就職が決まったのでした。
保育士の有効求人倍率(一人あたり何件の求人があるかを示す数値。一倍より値が大きいほど、求職者に対して求人数が多く、働き手が足りない状態を指す)は、
最新の数字によると、直近の令和6年7月で、2.69倍(対前年同月比で0.24ポイント上昇)となっており、 全職種平均の1.20倍(対前年同月比で0.06ポイント下落)と比べると、依然高い水準で推移しており、A子さんが認識しているように「売り手市場」であることは間違いありません。
しかし、それはあくまでも平均であって、人気の園や希望の園がいつでも手をこまねいて待ってくれているわけではないのです。
一方A代さんは、次年度の4月に照準を定め、早め早めに行動しました。
1年前とは言わないまでも半年前までにはなんらかのアクション(園に直接連絡し見学を行ったり、転職サイトへの登録をする、自己分析をする)などをしていることが理想でしょう。
とはいえ、ギリギリまで悩んでしまうのは、仕方のないこと。
年明けになり「やっぱり転職したい」という気持ちが固まるかもしれません。
ですから、遅くとも、3ヶ月前には動く、それで内定をすぐもらえたとしても、現職の職場に退職届を出したり、入社手続きをしたりということを考えると、他の職種の転職活動となんら代わりなく、時間の余裕があるにこしたことはないといえるでしょう。
次回は、転職理由について少し考えてみたいと思います。
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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪
※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)