「認知バイアス」シリーズ3回目は、「二分法の誤謬(ごびゅう)」についてです。
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「二分法の誤謬」とは、本当はもっと選択肢があるのに、あたかも「AとBの二つしかない」と思い込んでしまう心理現象のことをいいます。
例えば「保育士という資格を生かすには、小規模保育園か、大きな保育園か」と、
誰かに言われたとします。
他の児童福祉施設や幼稚園……などいろいろな選択肢もあるのに、その2つに捉われてしまうことがあるかもしれません。
その選択肢しかないような気がしてしまい、どちらが正しいのかわからなくなって追い込まれ、正常な判断がしづらくなってしまうのです。
人は、白黒つけたがる、物事の二面性を好む傾向があると言われています。
「上か下か」「近くか遠くか」「高いか低いか」「大きいか小さいか」など、
キリがありません。
これを回避するには、常に多角的で、時には鳥の目で俯瞰することです。
他の選択肢が本当に全くないのだろうか、
白黒つけず、「グレーゾーン」というものが存在することを認識することも大切です。
そのためにも、自分だけではなく、第三者の意見を聞いたり
専門知識を持つ人と対話したりと、
自分なりに広くリサーチすることが重要です。
子どもたちにもついつい「これをやらないと、これはできないよ」
「これとこれ、どっちにする?」と言った言葉がけをしてしまっていませんか?
私たち大人の考え方や行動が、子どもたちにも影響を与えます。
たった2つの選択肢に縛られずに、
自分と違う意見や視点にも、ハートを開いて耳を傾ける柔軟な生き方、考え方をすると
自分がいかに凝り固まった考えをもっていたかがわかり、
問題の解決にもつながっていくでしょう
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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪
※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)