前回は、「自分に自信を持つってどういうこと?」について考えてみました。
今回から、心理学を知らない人でも一度は聞いたことがある(かもしれない)「認知バイアス」についてしばらく取り上げたいと思います。
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「認知バイアス」という言葉を知っていますか?
心理学の世界ではお馴染みなのですが、 最近この認知バイアスをテーマにした本がたくさん出版されています。
『認知バイアス事典』
『認知バイアス 誰もが陥る思考の落とし穴80』
『認知バイアス入門 認知バイアスの教科書』……
そもそも認知バイアスとはなんでしょうか。
バイアスという言葉は、偏りや歪みを意味します。
そして認知バイアスとは、 ものごとを判断する時に先入観や直感、思い込みなどによって、合理的な判断ができなくなる心理的な現象のことをいいます。
認知バイアスには、たくさんの種類があります。
確証バイアス、ハロー効果、自己奉仕バイアス、心理的リアクタンス、バンドワゴン効果などなど、ある研究によると、120種類という説も。
私たち人間の心理は、それほど複雑であるということです。
ましてや保育という、人を育て守る仕事をしている私たちは、 子どもはもちろん職場の仲間や保護者など、たくさんの人間に関わるため、人の心の特性に常に関わり、時には翻弄される環境に、必然的にいるのです。
どうしてあの人は、あんな風にキツく当たるのだろう。
私はこのやり方はおかしいと思うけど、みんなの前では言えないし……。
少しでも人間の心理について知っていれば、あ、なるほど、これは⚪︎⚪︎バイアスだな、⚪︎⚪︎という現象だから気にしないようにしよう、と少しは気持ちが楽になったり、冷静になれたりするかもしれません。
どのような認知バイアスがあるのかを知り、どんな影響を及ぼす可能性があるのかを知るだけで、自分だけでなく、自分が所属しているチームや組織に弊害が起こらないように、あらかじめ予防や対策をすることもできます。
また自分が、認知バイアスに陥ってしまっていないかどうか、客観的に観察することもできます。毎日の保育にも生かせる、認知バイアス。
こちらのコラムで少しずつ、保育現場の事例とともに紹介していきたいと思います
次回は、認知バイアスの中でも有名な 確証バイアスについて取り上げたいと思います。
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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪
※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)