ぶるーむサプリ☆~シアワセ保育士・メンタルのヒント~Vol.16「保育観の違い」がメンタルに来るんです…心理学の視点から②~保育の人間関係に役立つヒント

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「どうして、そんなことするんですか?!」「そうじゃなくて、こうやってください」などと、同僚や上の立場の人に、非難されたり怒られたりしたとき、あなたはどんな対応をしていますか?

相手「●●ちゃんのお着がえ、また入れ間違ってるって、お母さんに言われたんだけど、先生ですよね! 本当に困るんですけど」(あなたが間違えたと思い込んでいる)

あなたの答え
①身に覚えはなくても「申し訳ありません」と言う
②「私じゃないと思います!〇〇先生じゃないですか?」と言う
③「お着がえを、入れ間違えちゃったのですね。私かもしれません。ですが、身に覚えがないのですよね」と言う
ケースバイケースなので、難しいですよね。

特に相手が怒っている、感情を高ぶらせている場合は、相手の勢いにのまれそうになってしまい、①のように、やっていないのに誤ってしまうかもしれません。

②も、よくある答えです。とりあえず、自分のせいにされたら大変!と他人を持ち出してしまうことはあるでしょう。しかし根拠のない答えをすると、傷口を広げてしまう可能性もあります。
③の答えには、心理学的にとても理想的です。
ここで大切なのは、相手が感情的になっているようだったら、あなたはあえて
「ゆっくりと、穏やかな口調で話す」こと、あなたのペースを守ることです。

心理学者のネルソン・ジョーンズという人は、相手の気持ちに飲み込まれずに、うまく批判や怒りを切り抜ける方法として「反射」「分散」「質問」「延期」「フィードバック」という
5つの方法を提唱しています。

【反射】
相手の言葉をオウム返しにして返す「お着がえ、入れ忘れちゃったのですね」と繰り返すことで、「ちゃんと聞いています」というメッセージが伝わり、相手の怒りをいったん収める効果があります。

【分散】
相手の言うことを部分的に認める。「私かもしれませんが……」ということで、可能性はあるが違うかもしれないというあなたの言い分も伝えることができ、相手の怒りも少し和らぐかもしれません。

【質問】
例えば「誰の洋服を入れてしまったのですか」と、問題を掘り下げて聞いてみましょう。そうすると「そうなの、△△くんのズボンが、●●ちゃんのバッグにね……」と解説しながら「ちゃんと受け止めてくれている」と相手は怒りを抑えて冷静に戻る効果があります。

【延期】
それでも相手の怒りが収まらないときは、「私かもしれないので、ちょっと記憶をたどってみます、お時間をいただけますか」と言ってみましょう。そうすることで、いったんその場の批判を回避することができ、感情を抑えることができます。

【フィードバック】
これは少し高度な方法ですが「わかりました、でもいきなり怒られても……」と、「あなたの言い方はきついですよ」ということを伝えています。「え、私の言い方、きつかったかな」と相手がひるむ効果があります

怒られても「ひどい……」とあなたが泣いたり傷ついた様子を見せてしまうのは逆効果です。あなたはあくまでも、冷静に、穏やかに、落ち着いた態度で臨む。
そうすれば、あなたのペースを崩されず、あなたという人間の尊厳を守ることができ、心理的にも有意な立場に立つことができるでしょう。
いかがでしょうか。

感情的に怒られたり批判されたりしたときに、うまく切り抜ける方法について紹介しました。今日から職場や日常生活で実践してみてくださいね。

次回も、心理学の視点から、具体的に役立つ項目をお伝えしていきます。

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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪

※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)

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