屋外で…キャンプや旅行ではなくて、ふだん外で遊ぶ、過ごす、または保育する、となると、近所の公園ということになりますね。皆さんお子さんの公園遊びにどんな風に関わっていますか?
これは、園での話ではなくて、すごーい前に、公園で2〜3人の子どもと2時間ほど一緒に遊んだ時の話です。自主保育のお母さん達がミーティングでしっかり話し込むために、その間O Bだったり知り合いのお母さんだったりが、代わりに子どもをみます。保育士の仕事としてではなく子どもたちの保育をするというものでした。
この日は7人の未就学児を、OBの3人で保育。
ただ公園で一緒に遊ぶだけ。私は主に年中児のヨッちゃんとキョンちゃんの2人と一緒に、遊具の広場に行かず、つかったものは木の枝と小石と落ち葉くらいで、なんと2時間半。遊んだ、とか遊んであげた、ではなくて…そうですね、遊び込みました。
まずなにをしようかな〜〜ノープランでスタート。ちょうどイイ感じの棒を2人が拾ってたので、その枝で地面に絵を描いているうちに、気づくと自分たちのおうちを描いてました。そこで、お互いのおうちを訪問して、お茶とお菓子(石とか落ち葉で代用)をどうぞ、ってオススメしあう。
エアーでいただきます。こういうのをキョンちゃんとやってるそばで、棒を持ってウロウロするヨッちゃん。一応ヨッちゃんにも声かけたり、お菓子をすすめますが、あまり入ってはこないです。なので、ヨッちゃんは無理に誘わず、しかし視界に入れて置きつつ、続きをやります。
「うちにはピアノがありますよ〜」と言いながらグランドピアノを描きます。バイオリンとかラッパも描いて、それらを弾いて(それもエアー)、そして歌を歌います。
これは実演ね。覚えてないけど、多分どうせ「さんぽ」なんですよ。そしたら当然、お家を出てお散歩に行きますよね。この辺からヨッちゃんも参加。なぜか赤ちゃん役になって「バブバブ」って言いながらハイハイでついてくる。
歩きながらお話ししてたら、海に行きたいねー!ってことになり、また枝で地面に波と砂浜を描きます。「水着が要る!」と気がつき、かわいい水着を描きます。色とか柄とか聞いて、お好みのデザインで。で、海に入ったら、ヨッちゃんが魚をみつけました。大人には見えませんが、いるみたいです。その魚を追いかけてるうちに、赤ちゃんだったはずのヨッちゃんがサメに変身して、今度は追いかけて来ます!
…ごっこ遊びのイメージが壮大に広がった、その時!遊具広場で別に遊んでいた年長の男の子が寄って来て「サメ、キョンちゃんを噛むんだ〜!」と命令してきました。何でここから?設定にすぐ乗っかる?ヨッちゃんは、嬉々として年長児のいいなりになって、キョンちゃんを追っかけはじめる。なぜ!メルヘンの世界から、突然、生死のかかった鬼ごっこが始まってしまいました…。
この日でなくても、関わる大人が私でなくとも、この子達の間では、こういう主体的な遊びが日常茶飯事です✨
いかがでしょうか。ないものを想像で補いながら、自由に遊ぶ姿。普段からやってるから、仲間がいるからこそできるのかもしれません。でも、お部屋の中で、おもちゃがふんだんにあると、こうはいかないのです。広く高い空の下で、なにもないからこその遊びが、あるのです。
(文 高澤 佳栄)
髙澤 佳栄(Takasawa Yoshie)
保育園きのね 園長