ぶるーむサプリ☆~シアワセ保育士・メンタルのヒント~Vol.15「保育観の違い」がメンタルに来るんです…心理学の視点から①~保育の人間関係に役立つヒント

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前回は、目線や心の持ちようを“自分中心”から、“子ども中心の保育軸”に切り替えることの大切さについて取り上げました。今回から数回にわたって、保育に役立つ心理学の視点について、いくつか紹介します。

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もし、あなたが、先輩や上司から「無茶ぶり」をされたらどうしますか?
例えば、それは明らかにあなたが「苦手」「自信がない」「自信がない」だったとします。
あなたならどう断りますか?

相手「先生、この書類、今日中にお願いできますか?」

あなたの答え
①「わかりました」と了承する
②「え…」とあからさまに嫌そうな顔をしたり、ムッとしてみる
③「そんな急に言われても無理です!」とネガティブな言葉で返す
④「申し訳ありません、今日は歯医者を予約していて無理です」「明日以降であれば何かできることがあればお手伝いしますので……」などと丁重に断る

相手が上の立場の人ほど、断りづらいですよね。
そして「断れなかった……」というストレスをため込んでしまうのです。

それが積もり積もって、大きなストレスの塊になり、ついには、あなた自身の精神状態が悪くなる引き金になってしまいます。

①を選んだ人は、もっともストレスがたまりやすい人です。
「わかりました」とすぐに承知することを「非主張的反応」と言います。
相手は「この人はいつも素直にやってくれる」と喜んでくれますが、何度も頼みごとをしてくるようになり、その場は良い雰囲気になっても、あなたの作業量は増え、繰り返される頼みごとに「またか……でも断れない」「私ばっかり……」と自分を追い込む可能性があります。

②を選んだ人は、学生さんはまだしも、社会人になってからこのような反応をするのは少し子どもっぽいので少ないかもしれませんね。しかし、意外と無意識にこのような反応をしてしまっていることが多いのです。返事より先に「え、私ですか?」とムッとした顔をしたり、イライラした態度を見せてしまっていませんか。
この反応のことを「間接的攻撃反応」といいます。不満を態度だけで表そうとするのは、
相手も「態度悪いな」と不満を募らせ、人間関係が悪化する要因を無駄につくることになってしまいます。

③を選んだ人は、こちらもかなり激しい反応ですね。
日頃から「何か頼んできたら、断ってやろう」というオーラを出しているかもしれません。このような反応を「直接的攻撃反応」といいます。
嫌いな相手、苦手な相手であれば仕方がないかもしれませんが、いきなりケンカ腰に「できません!」と感情的に反応するのは、相手を不快な気持ちにさせ、自分の評価を無駄に下げたり「あの人にこんなことを言われた」などと周囲に悪口を言われかねませんので、できるだけ避けたい反応です。

④を選んだあなたは、自分の気持ちもしっかり伝えつつ断ることができています。
「主張的反応」といい、気持ちを伝えるための基本的な態度です。
まずは「申し訳ないのですが…」と謝ることで、相手の感情を逆なですることを防ぐことができます。

また、「歯医者の予約」は、実は嘘だったにせよ、自分の都合以外の外的な理由を持ち出すことで相手は「仕方ないか」と思うでしょうし、その嘘が相手を傷つけることもありません。また「明日以降なら、手伝えるかも」という代替案をプラスすることで、あなたの評価に対する影響も少なくすることができますし、「うまく断ることができた、私って大人だな」と、あなた自身の自己肯定感もキープすることができるでしょう。

相手も断られたことで、次回から「あなたにだけ頼む」という行動がしづらくなります。

いかがでしょうか。
あなたの印象や評価を下げずに、スマートに断るヒントをお伝えしました。
今日から職場や日常生活で実践してみてくださいね。
次回も、心理学の視点から、具体的に役立つ項目をお伝えしていきます。

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このコラムでは、皆さんからのお悩みを広く募集しています。
子どもたちのために働く、同じ仲間の立場から、
保育の仕事を楽しく続けるためのヒントについて、ご一緒に考えていきたいと思います♪

※医療的な内容については、専門家にご相談くださいね。
(文:鈴木聖子)

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